皆さんは、コックコートがどんな物かはご存知ですか。
コックコートはメディアに出ている料理人が着用している服をイメージすると良いでしょう。
実はコックコートはただの飾りではなく、きちんとした理由があるので着用しています。
今回は料理人がコックコートを着用するメリットと、手入れが簡単なコックコートの選び方を紹介します。
□コックコートを着るメリット
コックコートは一見シンプルに見えますが、実は料理を調理するのをサポートするために様々な箇所に工夫がされています。
1つ目は、やけどを防止できます。
コックコートを着用する1番のメリットがやけどを防ぐことです。
料理をしたことがある人なら分かると思いますが、調理時には熱湯や高温に熱された油が跳ねることがあります。
それらから身を守るために正面が二重構造になっています。
それに加えて、素材に綿を使用していることです。
最近はポリエステルが採用されることも増加していますが、万が一火が付いたときに燃え広がりやすいというデメリットがあります。
業務用の火を扱う器具は、家庭用の物より火力が高いので、ポリエステルより燃え広がりにくい綿を使用することが主流です。
2つ目は、ボタンの素材を壊れにくいものを使用しています。
コックコートのボタンにはコート本体の生地と同一の素材で編まれた組紐を使用して作成したボタンや、核となる部品を生地で包んで作ったボタンが使われています。
これにも理由があり、布や糸で作られるボタンだと熱で解けて変形したり、割れて飛び散ったりする心配がないからです。
逆にプラスチックでできたボタンだと割れたときに飛び散って料理の中に混入する可能性があり、そのまま食べてしまうと体内にプラスチックや金属が侵入するでしょう。
また、力を入れて引っ張れば外れやすいことです。
コートに引火した時に素早く脱げるので、1つ目で紹介した二重構造や綿が使用されているのと相まって火傷するのを防ぐ構造になっています。
3つ目は生地の色が白いので、衛生管理がしやすいことです。
生地の色が白いのは、一見デメリットのように思えます。
しかし、料理を食べる側の視点ではコックコートが白いままで、コートを汚していないというのは調理の腕が良いことの証明となり得るでしょう。
なぜならば、調理がうまくなると油を飛ばしにくくなるからです。
仮にコートを汚しても二重構造になっている部分の左右を入れ替えることで、お客様を接客することになってもそのためだけに着替える必要が無いので安心です。
最後に、袖を鍋つかみとしても使用できることです。
コックコートの袖は普通の服よりも長くなっています。
皆さんは鍋をつかむときに鍋つかみを使用すると思いますが、厨房で忙しく調理する料理人にとってはその時間もストレスになり得るでしょう。
袖を鍋つかみとして使用できるようにすることで、調理を快適にします。
□手入れが簡単なコックコートとは
コックコートには素材によって手入れのしやすさが変わります。
お店のコックコートを一新する時や、自身で購入するときは参考にすると良いでしょう。
1つ目は、手入れが簡単なのはポリ混紡です。
ポリ混紡性のコートは洗ってもしわになりにくく、乾きやすいという特徴があります。
さらに中には形状記憶加工やストレッチ加工といった機能が付いている物は型崩れしにくいので、さらに簡単になります。
しかし、先ほど紹介したようにポリ混紡は綿より引火した時に燃え広がり易いので、火を使用しないポジションの人が使用すると良いでしょう。
2つ目は、汚れが付きにくいように加工が施してあるかです。
汚れが付着しにくい防汚加工がしてあるものを選ぶと、調理中に汚れが跳ねても服が汚れにくくなります。
このように汚れをはじいてくれる加工がしてあると、そもそも洗濯する手間自体が省ける可能性があるので便利です。
また、ポリエステルは毛玉が発生しやすいという特徴もあります。
制電加工をしていると毛玉の原因の一つである静電気が発生しにくくなるので、毛玉を抑制できるでしょう。
3つ目は、使用されている糸の編み方です。
コックコートの糸は2種類あり、1つ目が単糸と呼ばれる普段からなじみのある1本の糸で、2つ目が双糸と呼ばれる2本の糸を重ねあわせて作られた糸があります。
双糸は2重になっているので、単糸と比べて丈夫で縮みにくいという特徴があります。
その分長く使用できて耐久性も高いということなので、買い替えの頻度が少なくできて費用も抑えられます。
ですので、手入れがしやすいという視点で選ぶときは双糸の物を選びましょう。
□まとめ
今回は料理人がコックコートを着用するメリットと、手入れが簡単なコックコートの選び方を紹介しました。
料理人が何故コックコートを着用するのかを知り、皆さんの想像以上に調理に最適であるのかも分かったと思います。
また、紹介した手入れが簡単なコックコートの選び方も参考にしてはいかがでしょうか。